2018年1月6日土曜日

【舞台ist】vol.3 上村由紀子さん(前篇)

演劇ライター&ラジオDJになった「今」と「きっかけ」と「そのきっかけ」。



= INTERVIEW =

Dawn:出会ってからおよそ一年半が過ぎ、最近ではテレビやラジオ、街角のカルチャー誌に登場したりと、ますます多方面でお見かけするようになりました。特に印象に残っているお仕事はありますか?

やはり昨年3月に放送された『マツコの知らない世界』「劇場の世界」(TBS)で案内人を務めさせていただいたことですね。ゴールデンタイムのテレビ番組に演劇ライターが出演、しかもそれが自分だということに本人が1番驚いたかもしれません。

Dawn:放送後は「博多座」や「新橋演舞場」など、番組で紹介された劇場がSNSで話題になったりもしましたね。周りの反響はどうでしたか?

オンエアをご覧下さった演劇関係者や俳優さんから取材先でお声掛け頂いたりもしました。自分たちが愛し、プライドを持って関わっている世界がテレビで紹介された!と、ポジティブに受け取ってくださる方ばかりで、かなり気持ちが楽になりましたね。ロケ中からスタジオ収録まで「本当に大丈夫か」って、ずっと心臓がバクバクしていましたから。


「しっかりメイクして納期を守る!」


Dawn:取材へ行く時に気をつけていることってありますか?

それぞれの媒体の読者の年齢層や知識の深さによって、取材の際の視点や質問の方向性を変えることは強く意識しています。たとえば専門性が高いWebと、いろいろな分野から旬の俳優さんたちが登場する雑誌とでは同じプレイヤーにお話をうかがうにしても、ある程度内容は変えるといったように。また、特に舞台で活躍する俳優さんに対しては、安心してお話いただけるよう、以前のご出演作についての感想など邪魔にならない程度にお伝えするようにもしています。一斉取材日などは、違う媒体が立ち代り入って同じ質問を続けますので、対象者にいかにリラックスしてもらって他でしていない話に繋げられるかが、インタビュアー側のひとつのポイントだと思っています。

Dawn:こう言っては失礼ですが・・・なんだかキチンとしてる!

フリーランスだからこそ、納期を守る、時間を守る……これは最低限の鉄板かと。また、多くのインタビューは本番前の俳優さんが対象なので、自分が体調を崩している時は、行かなくて済む現場には行かないようにしています。取材現場では、予防のためのマスクも取りますよ。あと、個人的なこだわりとしては、ノーメイク禁止&気分が上がる服を着るなんていうのもありますね。

Dawn:今、フリーランスという言葉が出ました。大半の丸の内ワーカーとは違う働き方ですが、yukkoさんにとって「仕事のできる人」ってどんな人ですか?

メールにしろ、電話にしろ、レスポンスが早い方とは仕事の話もまとまりやすい気がします。今、仕事で一緒に動いているのがおもに20代や30代の方たちなのですが、皆さん本当にしっかりしていますよね……ミスがあればちゃんと真摯に対応してくれますし、連絡も早め。以前の自分だったら、特に20代の仕事仲間に対してここまで信頼感を持って接することはなかったとも思います。彼らと一緒に仕事をして、肩書きや年齢ではなく、責任感を持って自分の役割としっかり向き合っている人が仕事ができる人なのかな、と改めて感じています。



世界でたった一つの対話と向き合う


Dawn:演劇ライターのお仕事をしていて、一番楽しいのはどんな時ですか?

インタビュー取材はすべて楽しいです。中でもずっと観客として観てきた方に深いお話をうかがえた時や、思いもかけない魅力を引き出せた時はガッツポーズですね(笑)。自分ではお願いしなかっただろうな、と思うキャスティングで対象の方から素敵なトークが出た時も目からウロコがぽたぽた落ちます。

Dawn:心が震える瞬間は、やっぱり舞台を観ている時?

良い作品や好きな作品を観ている時はそうですね。記憶がないころから客席に座っているので、基本的には仕事人ではなく、一観客というモードで舞台を観ている時間の方が長いかも。インタビュー取材で「今この瞬間、この世界で私しか聞けない話を聞いているんだ!」と思えた時も心が震えますよ。インタビュー中はとにかく目の前のことに一生懸命なので、あとで音源を聞き返して改めてぷるぷる震えたり(笑)。

Dawn:たくさんの現場がある中で、魅力的だな って思える人はどんな人?

自分を良く見せようとしていない人、最終的に嘘がない人です。

Dawn:叶わないけれどインタビューしてみたいミュージカル界の方っていますか?

(即答で)森繁久彌さん!小さい頃に、帝国劇場で『屋根の上のヴァイオリン弾き』を観た時のテヴィエ役です。私にとって森繁さんの屋根ヴァはミュージカル観劇の原体験のひとつですし、帝劇のあのステージにソロで立つというのはどういう事なのかもぜひ聞いてみたいです。横浜から都内に引っ越して最初に住んだのが森繁さんの地元で、何度かカフェでお見かけしたこともあり、勝手に親近感を覚えています。




PHOTO:プリンス)